デカフェ徹底解説!ノンカフェインとの違いは?|広島|デカフェ専門店

最近、スーパーやコンビニでも「デカフェ」の文字を目にすることが増えました。
でも「カフェインレスコーヒーやノンカフェインとはどう違うの?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
コーヒー屋を営んでいると、
お客様からこんな質問をよくいただきます。
「デカフェって本当にカフェインゼロですか?」
「どうやってカフェインを抜いているんですか?」
「ノンカフェインのコーヒーってあるんですか?」
そこでデカフェ専門店の店長が、カフェインレスとノンカフェインの違いや、デカフェ製造方法について分かりやすくご紹介します。
あなたにぴったりの一杯が見つかりますように。
ノンカフェインとは似ているようで、実は別の飲み物。

デカフェ: コーヒー豆からカフェインを除去したもので、微量のカフェインを含む。
ノンカフェイン: カフェインを含まない原料から作られたもの。
コーヒー本来の風味を楽しみたい方:デカフェがおすすめ
カフェインを完全に避けたい方:ノンカフェインがおすすめ
皆さんは、どちらを選びますか?
デカフェとは?

デカフェ(Decaf)
カフェインをほとんど取り除いたコーヒーのこと。
デカフェとは、英語「decaffeinated」を略したものです。
デカフェは、もともとカフェインが含まれているコーヒーから、90%以上のカフェインを取り除いたもの。(全日本コーヒー公正取引協議会)
ただし完全にゼロではありません。(カフェイン残存率:数%〜0.01%程度 )
→例えば、99.9%除去したデカフェなら1,000杯で、やっと通常のコーヒー1杯分のカフェイン量になります。すごく少ないですね(笑)
またカフェインを抜いても、苦味はしっかりと感じます。
その理由は、コーヒーの苦味に影響するのは、クロロゲン酸や焙煎によって生まれる化合物が主な要因と言われているためです。
では、なぜ一般的に「デカフェ=薄い」というイメージがあるのでしょうか?
カフェインレス、ノンカフェインとの違い
カフェインレス(Caffeine-less)
「カフェインが少ない」という意味で、デカフェとほぼ同じ。
日本ではデカフェとカフェインレスが同じ意味として使われることが多い。
ノンカフェイン(Non-caffeine)
最初からカフェインが含まれていない飲み物のこと。
カフェインを抜いたのではなく、もともとカフェインゼロのもの。
例:麦茶、ルイボスティー、チコリや大豆を原料としたコーヒー風飲料など。
デカフェ = カフェインレス(カフェインを除去したコーヒー)
ノンカフェインは、そもそもカフェインを含まない別の飲み物。
余談・・・
カフェインを含まない突然変異のコーヒーノキが発見されています。しかし、カフェインは外敵から身を守る役割を持つため、その木は害虫や病気に弱く、栽培が難しいそうです。
さらにコーヒーノキは品種改良が難しいため、商業化には至っていません。
現在も研究は進められているそうですが、「ノンカフェインコーヒー」はまだ存在していないのが現状です。
デカフェの歴史

デカフェの始まりはドイツ。ある偶然から生まれた。
- 偶然の発見(1903年)
ドイツの商人ルードヴィッヒ・ローゼリウスは、偶然にもカフェインをコーヒー豆から除去する方法を発見しました。
ある時、コーヒー豆を積んだ船が嵐に遭い、海水に浸かってしまいました。
ローゼリウスは、この海水に浸かったコーヒー豆を調べたところ、カフェインが抜け落ちているにもかかわらず、コーヒーの風味が残っていることに気づきました。
この偶然の発見をきっかけに、カフェインを安全に抽出する研究を進めました。

- 初期のデカフェ製法(20世紀前半)
ローゼリウスは、化学薬品(ベンゼン)を使ってカフェインを除去する方法を発明しました。
会社を立ち上げ、自身の会社を設立し、世界初のカフェインレスコーヒーを販売しました。
しかし、後に化学薬品の健康リスクが指摘され、安全な方法が求められるようになりました。

- より安全なデカフェ技術の進化(20世紀後半)
1960年代以降、水やCO2を用いてより安全なデカフェ技術が開発されました。
また安全性だけでなく、コーヒー「旨み」も損なうことなくカフェインのみを抽出する技術が発展しました。
現在は、スペシャルティコーヒー(生産から消費まで高い基準を満たしたもの)の分野でもデカフェが増えており、カフェインを控えたい人でもおいしいコーヒーを楽しめる時代になりました。
デカフェの違いについて
カフェイン抽出方法
ケミカルプロセス(有機溶媒抽出法)
先ほど紹介した、ドイツで開発された化学溶剤を用いたカフェイン除去法。
当初はベンゼンなどの有害な溶剤が使用されていたが、現在では比較的安全性の高い溶剤に置き換えられている。
日本では安全基準により輸入・販売が認められていないが、海外では取り扱っているメーカーがあるため、お土産でもらったカフェインレスコーヒーは注意が必要。
水抽出法(ウォータープロセス)
化学薬品を使わず、水だけでカフェインを除去する方法。
代表的なものに スイスウォータープロセス と マウンテンウォータープロセス があります。

二酸化炭素(CO₂)抽出法
二酸化炭素を使ってカフェインを取り除く方法。
・「超臨界」二酸化炭素抽出法
※超臨界とは、二酸化炭素を31℃以上、超高圧(200気圧)の条件下で、水の密度に近い流体状態(液体と気体の中間)のこと。
・「液体」二酸化炭素抽出法
液体状態のCO₂を使用してカフェインを除去するデカフェ技術です。
超臨界CO₂抽出法と似ていますが、超高圧を必要とせず、比較的低圧(約50~80気圧)で処理できる点が異なります。

コーヒーに余計なストレスをかけず、旨み成分を残しながらカフェイン抽出することが、「カフェインレス=薄い」というイメージを覆す鍵となるのではないでしょうか。
まとめ
・デカフェとカフェインレスコーヒーは同じ。
・ノンカフェインは、 カフェインを含まない原料から作られたもの。
・カフェイン抽出方法には、①ケミカル ②水 ③CO₂の3種類がある。
デカフェは、100年以上の歴史を経ておいしく進化してきました。
カフェインの抽出方法によって味はどう変わるのか。全国のコーヒーショップを巡り、その違いを楽しんでみるのも面白いかもしれません。
当ショップでは、「コーヒーとして本当に美味しいか」を基準に、こだわりのデカフェを全国にお届けしています。
深いコクが魅力のマンデリンや、華やかな香りが楽しめるメキシコなど、世界各国のデカフェを厳選して取り扱っています。
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